心理療法

サイコセラピー、カウンセリング(心理療法)とは?

私たち人間は自己治癒の能力を生まれながらに備えています。とは言え、困難な状況に出会うと、私たちは圧倒されてしまい、いつもなら使える対処法や力を発揮できなくなることもよくあります。また、ただ単に自分の気持ちに何が起こっているのかを理解するために必要な情報がないということも時にはあります。

もしも抱えている問題が部分的にでも家族と関連したものであるなら、家族に相談することは難しいかもしれませんし、家族に助けを求めることが問題を複雑にするかもしれません。友達にのみ助けを求めることは友人関係にあまりに多くの負担をかけることになり、かえって孤独感を強めることになるかもしれません。自助本は興味深く、自分の気持ちを理解する助けにはなりますが、たいていの場合、苦痛を取り除くには至りません。

もしも思い切ってサイコセラピスト(心理臨床家)と作業をすることに決めたなら、今まさに必要としている客観的な助力を得ることができます。それは、家族や友達とは異なる専門家という存在だからこそ提供可能なものです。

サイコセラピーでは、現在お困りの問題、緊急の危機、長期的な問題などを取り扱います。問題の性質によってサイコセラピーの期間や形態は異なります。短期あるいは長期であったり、個人、家族、カップル、やそれら複数の形態の組み合わせで行ったりします。

サイコセラピー、カウンセリング(心理療法)とは:

  • 自分自身を理解し、生活上の変化をもたらすことを可能にする人間関係です。
  • 自分自身に深く関わり、自分自身に投資することです。
  • 人間行動や変化に熟知した専門家に心を開いて正直に話しをしたり様々な治癒的なアクティビティーを使用する場所です。
  • 自分の感情、考え、行動、や人間関係の理解を助長するための過程です。
  • 感情や欲求をそのままに認めて、折り合いをつけることができるような、安全で、守秘義務が守られ、批判を受けることのない環境です。
心理療法と人間の脳

人間の脳の基礎的な知識を持っていることは、心理療法がなぜ、どの様に役立つのかを理解するために有用です。
人間の脳は大きく分けて、左半球と右半球、及び、下部位、中間部位、上部位となっています。右脳は非言語的、無意識、感情的、感覚的な体験を瞬時に処理し、これらの情報を脳梁(左右の脳をつなぐ橋)を通って、ゆっくりとその情報を意識的、言語的、認知的、理論的に理解し、分析をします。脳の下部は感覚的な体験を処理し、その情報が脳の中間部(辺縁系)で感情とつながり・処理され、最後に上部(皮質)で認知的に理解されます。人が真の変化を成し遂げるためには、感情の右脳も言語の左脳、更に、感覚的・情緒的な下・中部位と認知的上部位、全てを使用する必要があります。大野木博士との面接は右脳・左脳と脳の下・中・上部に働きかけ、脳全体を使用する治癒的な介入が組み込まれます。

トラウマと心理療法

人がトラウマを体験すると、脳が直接影響を受けます。平常時では、人間の脳は右脳の下部より感覚的に体験を瞬時に処理し、その感覚的な体験と感情をつなげ、徐々にその情報を左脳の上部で認知的に処理します。トラウマ体験途上の場合、脳は自動的に自己防御態勢に入り、一時的にエネルギーを多く使用する脳の部分(主に左脳と脳の上部)の働きを低下します。よって、人が体験するトラウマは主に右脳下部で処理され、記憶として保存されます。一旦トラウマ的な状況が無くなり、脳が危険にさらされていないと判断すると、左脳上部は再度働き始めます。しかし、トラウマ的な記憶は右脳下部にしまわれたままになります。その為、これらトラウマ的な記憶にたどり着くためには、右脳下部を使用する介入法を有効活用することが必要となります。言葉や会話は左脳上部で処理され、遊びや創造的なアクティビティーは直接的に右脳下部を使用します。その為、トラウマを体験した人にとって、年齢、性別、文化問わず、遊びや創造的なアクティビティーは非常に重要です。

子どもへのサイコセラピー、カウンセリング(心理療法)

発達し、成熟するにつれ、子どもは何らかの問題に時折直面するものです。家庭内ではオムツを外すトイレ訓練、就眠時間、宿題をめぐる葛藤が生じます。固有のアイデンティティーを形成したり、他の人と交流を育む練習をしようとするにつれ、両親や仲間との問題にぶつかります。学業面や行動面での要求が増すにつれ、先生との葛藤が生じます。新しい状況、要求、期待に直面した時、子どもは悲しさ、怖れや、怒りなどを伴った気持ちの浮き沈みを体験するものです。これらの反応は短期間のものであることが多く、大抵は子どもの生活をさほど大きく邪魔するものではありません。しかし、時には、人生のプレッシャーに対する子どもの反応が激しかったり、親が子どもを援助しようとしてもうまくいかないこともあります。このような時には、専門家の支援が必要となるかもしれません。親は、子どもに心理的な治療が必要、若しくは、子どものためになるかを認識することもでき、そうした専門家の介入が子育ての失敗を意味しているわけではないことも理解することも可能です。子どものサイコセラピーとは、問題を特定し、理解し、処理する機会と、必要な対処法を身に付ける機会を子どもに与えるものです。大切なことは、適切かつタイムリーな治療をしなければ、子どもの問題はより重くなり、より深刻で長引く問題になりうることに気付くことです。児童心理学博士とは、問題行動を特定し、適切な介入を計画することができる専門的な知識や技術を有する専門家です。子どもや家族を専門とする心理学博士であれば、個々の子どもやそのご家族の具体的な欲求にあった適切な個人治療計画を立てることができます。

プレイセラピー(遊戯療法)と子どもの脳

大人とは違い、子どもの自然な自己表現法とコミュニケーション方は言葉の使用ではなく、遊びを通してです。子どもの言語的能力はまだ発達途上であり、言語を処理する脳の部分は学び、成長し続けています。子どもは年齢が低いほど、優勢な脳機能は右脳、及び脳の下部です。抱えている問題を乗り越える作業をするとき、治療法が子どもの右脳下部に焦点を充ていることで有効的なものになります。言葉と異なり、遊びは右脳下部・中部に直接刺激を与え、処理されます。よって、子どもとの治療でプレイセラピーを使用することは子どもが体験しているあらゆる問題をもっとも発達的に適切且つ、脳に変化をもたらすことが出来る手法です。

子どもの治療における親の参加とは?

多くの親は自分の子どものために一番良いと考えられることをしたいと思っています。しかし、そうは思っていても、残念ながら効果的な子育ての知識、特に特殊なニーズがある子どもや普通とは異なるような体験をしてしまっている子どもを育てるための知識などがないことがあり、知識があっても、それを実行するためのツールがないかもしれません。また、親自身も気持ちの問題を抱えることがあるでしょうし、そのことによって子どもの欲求を充たしてあげることが難しくなることもあるでしょう。子どもが主に治療の焦点としての心理療法の場合は、親御さんに必ず参加していただきます。親が治療に関わり、治療について分かっていることは必要ですし、親には子どもの成長と治癒に参加する権利や責任があります。親の参加は、どのような子どもの治療においても治療の鍵を握る不可欠な要素です。初回面接の時から、子どもの発達、行動、交友関係や、癖などの情報を与えてくれる頼みの綱であり、治療の目標に関して線密に相談する相手でもあります。親は治療過程のパートナーであり、開発され実行された介入の効果について重要なフィードバックを提供してくれる人でもあります。子どもは問題となっている事柄に関して親がチームとなって一緒に作業をすることで、特に自分は大事に思われ、価値があり、支えられていて、特別な存在に感じます。 そして、児童心理療法は親が不安に思っていることを扱い、その子ども独自の欲求に関して学び、その欲求に適切且つ効果的な方法で応じられるように支援する機会でもあります。

親子間の愛着

人が他人と関係性を構築する能力は人生早期に発達します。子どもが主な養育者との間で乳幼児期に育む愛着・絆、はその子どもの生涯に渡っての愛着スタイルが形成します。この愛着スタイルは主な養育者との間での関係性スタイルによって、幼児期に強化されます。子どもは親と肯定的な関係を形成し、保っていれば、その子どもは安定した愛着スタイルが育ちます。子どもが自分を価値のある愛される存在と見なし、他人は支持的でよい気持ちを与えてくれる存在であり、世の中は安心して探求できる安全な場だと認識します。子どもが親とは否定的な関係性を形成し、保つと、その子どもは不安定な愛着スタイルが育ちます。子どもが自分を価値のない愛されない存在と見なし、他人は驚異的で不快な存在で、世の中は隠れたり戦わなくてはいけない危険な場所と認識します。児童期に構築した愛着スタイルはその子の生涯に渡っての人間関係の在り方を定義づけます。児童期に子どもの養育者との間に繰り返す体験をその子どもの脳が学び、生涯に渡って影響を及ぼす重要なことの一つです。その為、子どもと養育者の間の肯定的な交流を繰り返し体験できる機会を作ってあげることは、生涯に渡ってその子の人間関係に役立つことになります。

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